女心と秋の空──こんな「ことわざ」がありますよね。
ご存じのとおり、「女性の心は、秋の空模様のように変わりやすいもの」という意味ですが、空模様が変えられないように、女性の心も変えるのは容易ではないという意味も込められているのではないか…私は、そんな風に考えたりもします。
このように、昔から「天気」は「心」の比喩として、使われてきました。
心理学でも「フォーカシング」という、自分の気持ちを晴れ、曇り、雨など天気になぞらえることで、自分の感情を客観視するトレーニングが用いられることがあります。
多くは、自分自身に用いるこのスキル、私は他人の気持ちこそお天気に例えると、モヤモヤを解消できるように思っています。
今回は、自分の機嫌を自分でとり、他人の心に振り回されないために、私がおこなっている「お天気メンタル術」をご紹介したいと思います。
心は伝染するからこそ、自分を守る
機嫌が悪い人をみると、自分の心もザワつくことってありませんか?
ある日、私は、周囲の心の機微に振り回されることが多いことに気がつきました。
たとえば、電車の中で舌打ちをする人。
コンビニで無言でレジに物を置く人。
家族のちょっとしたため息や、職場のピリッとした空気。
そのすべてが、自分に向けられているわけじゃないと、頭ではわかっていても、心が「安全ではない」と感じると、ふっと緊張が走ります。
まるで、急に暗くなった空に、「雨、降るかな」と肩に力が入るように。
でも、あるときふと思ったのです。
「あ、この人…ただ、心が“曇ってる”だけなんだ。」って。
そう考えるようになってから、私は少しラクになりました。
「なんでそんな態度とるの?」ではなく、
「今日は低気圧なんだなぁ」と、お天気のように受け流す。
すると、自分の心までは曇らせずに済むようになったのです。
人の機嫌は、お天気のようなもの。
予報はできても、コントロールはできません。
でも、傘をさすか、濡れるか、晴れ間を待つかは、自分で選べるのです。
「お天気メンタル術」の具体的なコツを、いくつかご紹介します。
簡単!お天気メンタル術3つのコツ
【コツ①】「人の機嫌=天気」だと脳にラベリングする
人の不機嫌って、つい「私が何かしたのかな?」って受け止めてしまいがち。
でもそこで、あえてこう思うのです。
「あ、あの人…今日は低気圧なんだな。」
実際、脳には「ラベリング効果」があって、
感情に名前をつけるだけで、ストレス反応が下がるって言われています。
「不機嫌な人」ではなく、私は心の中で「雨雲さん」って呼んでいます。
ちょっと笑えてきたり、距離をとれるようになる不思議です。
コツ②:「表面だけ謝る」のは傘をさすようなもの
理不尽な態度や、八つ当たりに出会ったとき。
つい感情的に反応したくなるけど、
私はこう思ってます。
「とりあえず、謝っとこ。」
それは、「負け」じゃなくて、
濡れないための傘みたいなもの。
「ごめんなさい」って言っておけば、
機嫌の悪い人はそれ以上怒りの雨を降らせづらくなります。
言葉は「心を守る傘」にもなるのです。
もちろん、仕事や子育て、自分の身の回りの人間関係では、そんな不誠実なことはしませんよ。でも、知らない方とわざわざケンカをする必要はないと感じます。公共の場で、心の赴くままに言い争いでもはじまれば、周囲の方もお気持ちを害するでしょうし……
それならば、心の傘をさすのも、悪くないと思いませんか?
コツ③:自分の空は、自分で晴らす
誰かの雷に打たれたあとって、心がどんよりしがちですよね。
だからこそ意識して「晴れ」を取り戻すことを心がけています。
- 好きな香りをかぐ
- ちょっとだけ深呼吸
- 推しの一言に触れる
- あたたかい飲み物でひと息
ほんの少しでも、「私は私の空を整えていい」と思えることを、1つでもやってみる。これだけでも、気持ちの晴れ間はつくれます。
晴天でなくてもいいんです。
雲のすきまから差し込むひとすじの光だって、ちゃんと心を照らしてくれる。
だから私は、そんな小さな晴れ間を、大切にしています。
【今日のまとめ】空は変わる。だから、自分の空は自分で守ろう。
誰かの天気に心まで連れていかれなくていい。
風が強い日は、髪を結べばいいし、
雨が降る日は、傘をさせばいい。
今日の空模様がどんな日でも、「ごきげんな私」は、私が選んでいい。
そんなふうに、あなたの空が、いつもやさしい光に包まれますように。